新形式の竪型ドラム缶窯による竹炭造りまとめ

20131212_123800_Android 1町田市鶴川に「生ごみの減量を図りつつ有機無農薬栽培を目指すグループ」がある。その農園周辺の荒れ果てた竹藪を整備し、農園環境の改善を図り且つ農園に必要な竹材を供給することを目的として2003年「タケノコ会」が結成された。

美味しいタケノコを唯一のご褒美として、「京都に負けない、番傘をさして通れる竹林」を目指して間伐を進めたが、やがて間伐材の処分に困ることになる。

P1000774ネットから情報を集めドラム缶窯による竹炭造りを目指し2005年2月に初めての炭焼きを行った。この時使用したのはドラム缶を横に設置するものであった。(図1の上段参照。 窯の制作、運転方法など堀 久好氏のホームページ http://oumi-shintan.com/ を参照させて頂いた。氏は現在炭焼きばかりでなく里山保全のため

図-1 窯の形式比較
図-1 クリックで拡大

手広く活動されているようで、ホームページも大きく拡充されている)

この横型窯は一応の成果を収め、途中いくつかの改良、再制作を経て2010年まで稼働していた。しかし、この形式は通気が悪いので予熱時間が長く、自燃に至るまでの時間が不定で時に夜遅くまでの作業になる事が多かった。そして充填した材料の一部は燃えてしまい、下部の煙突に近い部分は生焼けになるなど炭の歩留まりがどうしても良くならなかった。

上側は灰になっている
上側は灰になっている

そこでドラム缶を縦に置いて均一に加熱することができれば投入した材料の全部を炭化できる筈と考えて検討を始めた。丁度その頃友人が平塚の方で図1の中段に掲げたような縦窯を使って歩留まり良く竹炭を作っていることを知ったが構造が複雑ですべて自分達で工作していた我々にとってはやや敷居が高い。とにかく熱風を均一に流すことができれば良い筈と2011

年末に単純に燃焼ガスを下から流して加熱するタイプの竪型の窯を作ったがこれが苦難の始まりであった。(図1 下段参照)

竪に詰めた竹材に下から熱風を通すので最初からドラフトが効いて一見順調に予熱が進んでいるように見えるが、窯の内部に挿入した温度計はまだ常温に近いのに排ガス温度はどんどん上昇してしまう現象が観察された。
これは窯の一部が高温になるとその部分の空気の通りが良くなり、やがて着火温度に達するとその部分だけが燃え上がってしまうのであろうと推定された。

そこで空気の流れを均一にしようと、材料下部に多孔板を入れたり、細かい金網を入れたりしたが、どうしてもうまく行かない。

考えてみれば材料層の不均一性をカバーできるだけの圧力損失を多孔板等に持たせることは不可能に近いので当たり前の話だと気が付いた。
材料上部に多孔板を乗せ、排ガス出口に絞りを入れるなども試みたが、2011年末から2013年1月までの間10数回の内まあまあの炭が出来たのはたった一回だけだった。

図-2
図-2 竪窯組み立て

2013年2月に縦詰めを諦め、約20cmに短くした材料を横に詰めることにし、さらに4月からは排ガス温度が100℃を超えたら焚口からドラム缶中心部に挿入した径50mmのパイプを残して焚口を埋める方式を採用し安定して良質の竹炭を歩留まり良く造ることができるようになった。 大まかな窯の構造を図2に示した。(上蓋の煙突下部に取り付けた邪魔板は欠落したが問題ないので不要、出口の絞りバタフライバルブも不要かも知れない)

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操作は簡単で

  1. 焚口から出来るだけ勢いよく燃やす。(材料が燃えないように、低酸素濃度の燃焼ガスを流す。)排ガス温度は80-90℃でしばらく安定したのち徐々に上昇し始める。出口のバタフライ・バルブは45度開。
  2. 排ガス温度が100℃を超えたら径50㎜のパイプを窯の中心まで挿入し、周りはブロックと土で埋める。
  3. 排ガス温度が500℃を超え排ガスがほぼ透明になったらパイプを抜き、焚口を完全に埋める。煙突を取り外し蓋をかぶせてから土を盛って密閉する。
  4. 竹酢液は排ガス温度80℃ー150℃の間での採取する。
  5. 一日以上置いて完全に冷えたら蓋を開けサポートに取り付けた針金を持ち上げて炭を取り出す。

実際の温度変化の例を図-3に示した。主として材料の水分含有量に影響されると考えているが所要時間は8時間から12時間である。

図-3 温度変化

材料の温度は排ガス温度より300℃くらい高いと考えている。出来た炭の電気伝導度が簡便法で測って10分の数Ωから数Ωであり下図に示した鹿児島県工業技術センターの炭化温度と電気伝導度の関係から少なくとも800℃程度には達していることが推定される。

電気抵抗